< 大地の剣と会話しました >

 どういったわけか唐突にソーディアン交換ということになって、これまたどういったわけかフィリアの元にはシャルティエがやってきた。

(本当に、どういった理由なんでしょうか……)

 素朴な疑問は浮かんでくるが、決まった以上あれこれを言うつもりはフィリアにはなかった。だから改めて、挨拶をする。

「しばらくの間よろしくお願いいたしますね、シャルティエさん」
『こちらこそ、よろしく。フィリア』

 返ってきた言葉は、いつもの老翁ではない若者らしいものだ。普段はリオンに向けられるくせのある喋り方が、自分に向けられているというのは少し不可思議だ。いつもは第三者としてこの声を聞いていたからだろうか。

『? どうかした、フィリア。ぼーっとしてるみたいだけど』
「あ、いいえ。……少し不思議だなと、思いまして」
『そっか、フィリアはいつも年老いたおじいさん相手だもんね。クレメンテって外見の割にすけべだし、大変でしょ。愚痴とかあったら聞くよ?』
「まあ、シャルティエさんったら、クレメンテに失礼ですわ。ふふ。ですが、ありがとうございます」

 いつもとは違う柄の感触に、それでも覚えるのは違和感ではなく、彼の温かさだった。

「……お前、フィリアにやましいことなど何もしてないだろうな」
『……やましいとはおぬし、人聞きの悪いことを言うでない』

さりげなく聞き耳を立てる坊ちゃん