< ひとりで泣かないで、ってこと >

「いーい、フィリア。これだけは言っとくわよ!」

 指を突きつけられて(本当は失礼に当たることだ)、強く言われる。

「泣きたい時は我慢しないで、あたしのところに泣きに来るのよ! いいわね!」

 目をまたたかせると、ルーティは答えを求めるようにじっと見つめてきた。反射的に、はい、とフィリアが頷く。そうするとルーティは、満足げに微笑んだ。