< 『どう答えろというのだ』 >
「なあ、ディムロス」
『なんだ』
「ソーディアンには感覚ってあるのか? 痛いとか寒いとか」
『我々は剣そのもの。無機物と違って意志は存在するが、そういった感覚とは無縁だ。そうでなければ、剣として成り立たないからな。……前にも似たようなことを聞かなかったか?』
「うーん、だってさあ」
ちらとスタンが視線を動かす。それを辿った先でディムロスが目にしたのは、クレメンテと会話するフィリアだった。
『フィリアがどうかしたのか?』
「フィリアっていうよりは、クレメンテかな」
『老がどうしたというのだ』
「クレメンテって他のソーディアンと比べると大きいだろ? そうしたら必然的に、フィリアはクレメンテを抱きかかえるようになるじゃないか」
それがなんだ、とディムロスが続きを促す。
「そういう時のクレメンテの声がさ」
『ああ』
「すっごい嬉しそうなのが、すごーく気になるんだけど。なあディムロス、あれってどういうことなんだ?」
『……』