< 彼女の命運やいかに >

「知ってるかい、お前さんたち。東国には年に一度だけ嘘をついてもいい日ってのがあってだな……」

 ジョニーさんにその話を聞いたのが五日前のこと。

「フィリアー、一緒にお風呂入りましょうよ」

 ルーティさんに誘われたのが、それから二日後のこと。

「明日らしいぞ、あの男が言っていた『一年に一度だけ嘘をついてもいい日』というのは」

 リオンさんから聞いたのは、それからまた二日後のことでした。

「ここって温泉があるんだって」
「まあ、そうなのですか」
「うん。混浴らしいから、一緒に入ろうかフィリア」
「ふふ。そうですね、スタンさん。それもいいかも知れませんわ」

 だから、当日を迎えて誘われたことは冗談だと思ったんです。……冗談だと思いたかったの、ですが。

「あ、言っとくけど俺、本気だからね」
「……え?」