< 見てみたガール and ボーイ? >

「わたくし、『ナっちゃん』と呼ばれたのは初めてですわ」
「はは。まあ階級上、敬称をつけられるのが礼儀だもんな。俺たちも俺たちで呼び捨てだから、それこそ滅多にない呼ばれ方だろう」
「どーでもいいよ。いいからとっとと行こうぜ」

 早くしろよと、相変わらずな態度にナタリアは眉根を寄せる。諭そうとするナタリアにルークは楯突き、そんな二人を見ながらガイは苦笑した。それから少し、口元を意地悪げに歪める。

「さしずめ、ルークなら『ルーくん』ってとこだろうな」
「はあ!? な、何言ってんだ、ガイ!」
「ルーくん、ですか……」

 口元に手を当て、感心したようにナタリアが反芻した。慌てふためいていたルークはぎょっとし、ナタリアに迫り寄る。

「お、おい、ナタリア! お前まで言う必要ねえだろうがっ」

 しかしナタリアは怯まなかった。

「いいではありませんか。わたくしはナっちゃんなのでしょう? でしたらルークも、ルーくんでちょうどいいですわ」
「何がだよ!」
「『くん』に『ちゃん』だなんて、つがいのようではありませんか」
「つがいだあ?」
「わたくしはルークと、そう呼び合う仲でも構いませんわ。何より新鮮です」
「わ、わけのわかんねえこと言ってんじゃねえよ。……ナタリア、おまえ面白がってるだろ」

 そんなことありませんわ、とナタリアはころころ笑っている。絶対に面白がってやがると悪態つきながら、それでもルークはそれ以上「ルーくん」について何か意見をすることはなかった。

(なんだかんだで、可愛い二人組だな)

 途中から傍観者然となっていたガイは、言葉に出さずそっと心の中で思うのだった。