< 知っていました、あなたが私を見てくれていたこと >
フィリアは強いのね、とルーティに言われたことがある。見かけによらずですか、と言葉を返すと、ルーティは笑った。フィリアも笑い返した。それからフィリアもルーティに告げる。
『ルーティさんは、見かけによらず弱いですわ』
ルーティは笑わなかった。軽く目を見開いて、うつむいて、眉根を寄せて、泣きそうな顔になる。フィリアが名前を呼びかけると、ルーティは「ごめん」と呟いた。
ルーティには支える人が必要だ。強く思い始めたのはその日から。
だからフィリアは、いっそう鈍いふりをした。
「わたくし、スタンさんのおかげで強くなれたのです」
必要ないと、壁を作った。
「スタンさんには感謝していますわ。あなたに会えてよかった。だから、」
これ以上、わたくしを気にかけないでくださいませんか。
(あなたの視線の先が自分であることが、これほど幸福で不幸なことはないのです)