< 彼の安らぐ場所 >

「フィリア」
「リッドさん? どうされました、お疲れのようですけれど」
「膝貸してくれ……」
「え?」

 答えを聞く前に、リッドはフィリアの膝に寝転んだ。驚いた声をフィリアは出すが、リッドはそれを気にしようとはしていない。ただ、疲れた、の一言だけを呟く。

「……何をなさってたんですか?」
「ガキのおもり。なんでか知らねえが、ルーティに押しつけられた」
「あら。それは、リッドさんの面倒見がいいからですわ。ルーティさんも褒めていましたもの」

 ふふと笑うフィリアをじろりと見やる。しかし今度は、フィリアがそれを気にかける様子はなく、リッドは疲れたようにため息をついた。

「ていよく俺を利用してるだけに思えるけどな」
「そうでしょうか?」
「そうだよ。……俺は寝る」
「はい。おやすみなさい、リッドさん」

 赤い髪をそっと撫でられ、リッドは少しだけ目を開く。ちらりと、先ほどとは違う視線をフィリアに向けた。返ってきたのは優しい微笑み。つられるようにリッドも笑って、それからゆっくり目を閉じた。