※D2設定でもマイソロ設定でも可
「ねえねえ、ジューダス。花の育て方おしえて!」
「……なぜ僕に植物の育て方を聞くんだ」
「だってジューダスって物知りだからさ。ロニよりちゃんと教えてくれそうだもん」

 無意識なのか意識してなのか(後者ならいい性格をしている)、兄代わりである人物に対して辛い評価を理由にする少年に、ジューダスはため息をつくのだった。

「えーっと、鉢植えに入れて、土の表面が乾いたら水をたっぷりやって……」

 花の育て方といっても、ジューダスは詳しいわけではない。それ用の本を見繕ってカイルに説明をしただけだ。説明ついでにカイルの動向を見守ることになっているが、見るからに少年は嬉しそうである。少し気になって尋ねてみた。

「それは、なんの花になるんだ」
「カルセオラリアっていう花だよ。小さい袋みたいに、面白い形してるんだ」
「……急に、育てる気になったのは?」

 淀みなく花の名を答えられるカイルに驚きつつ、その理由も問う。すると、これまで以上の笑顔が返ってきた。わずかに顔が赤らんでいるのは、それだけ興奮しているということだろうか。

「綺麗に咲かせて、フィリアさんにあげるんだ!」
「……は?」
「ジューダス、知ってる? カルセオラリアって、私の伴侶に、っていう意味があるんだって。そういうの、いいよね。フィリアさんがそのこと知ってたら嬉しいし、知らなくてもそれはそれでそういう意味だってことを教える時が楽しみだし、こういうの一石二鳥っていうんでしょ?」

 そしてジューダスは言葉を失った。

一石二鳥の使い方を間違ってるカイルクオリティ(突っ込むとこは多分そこじゃない)